2010年8月に手術センターを開設してから、6年7か月が経ち、手術室で手術をうけられた患者さんの数は耳、鼻、のどをあわせて2600名を超えました。このうち、鼻の内視鏡手術をうけられた方は約1250名、多くの方が一度にいくつかの手術を同時にうけられますので手術件数としては3000件を超え、年々増加傾向にあります。過去6年間の鼻内視鏡手術の手術件数を表にまとめてみました。2016年は276名の方に内視鏡を用いた鼻の手術を行いました。手術の内容としては、副鼻腔炎、そのなかでも好酸球性副鼻腔炎と呼ばれる難治性の副鼻腔炎の方への手術が増加しています。昨年は内視鏡下副鼻腔手術をうけられた患者さんの60%以上が好酸球性副鼻腔炎の疑いもしくは確定診断をうけられた方でした。
好酸球性副鼻腔炎は手術のみで完治するものではありませんので、術後の鼻洗浄、ステロイドの点鼻薬や内服薬の適切な使用によって調子の良い状態を保てるようにケアしていく必要があります。また、ポリープの再発などの際には日帰りで簡単な手術を行うことで状態が落ち着くことがあります。当院では、内視鏡下副鼻腔手術を「術後の鼻洗浄や点鼻薬の効果がより副鼻腔の奥に届きやすくするための副鼻腔のリフォーム」と説明し、手術ではポリープの切除のみにとどまらず、鼻中隔矯正、粘膜下下鼻甲介骨切除術などを組み合わせながら術後のケアがより行いやすい鼻にすることを目指した手術に取り組んでいます。現在行っている手術方法の工夫などは、またそのうちブログなどで報告できればと思っています。