手術室にて3D内視鏡のデモンストレーション

最近のテクノロジーの進歩は目覚ましく、久しぶりにヨドバシカメラなどに行くと、様々な電化製品やIT機器が並んでいます。医療機器の進歩も同様で、最近話題になった手術支援機器ダビンチのことも耳にされたことがあるでしょう。当院でも手術センター開設以来、コーンビームCT、手術用顕微鏡や内視鏡に加え、手術用ナビゲーションシステムや麻酔の深度を見るBISモニター、あるいは診察用の特殊なファイバースコープなども導入してきました。今回は手術室での3D内視鏡のデモンストレーションです。みんなが真っ黒いサングラスをかけているのは偏光の3Dメガネとなります。
以前から3D内視鏡は存在しておりましたが、副鼻腔手術でまだ実用に耐えうるものではありませんでした。その後改良を重ねて、実際にかなり実用的に使えるレベルになってきました。現在は普通の2D画像を見ながら手術をしているわけですが、いうなればこれは「片目」で術野を見ているため、奥行きや距離感がわかりにくく、それを自分のアタマの中の鼻の解剖とを組み合わせて補正しています。今回の3D画像では、奥行きや距離感が極めて自然で、うまく使いこなすとこれまで以上に繊細な手術操作ができる可能性があると感じました。

なお、外科領域の腹部の内視鏡(腹腔鏡)は現在では3Dが主流のようです。耳鼻科領域は術野が狭いため、3Dはこれからだと思われますが、近いうちに主流になる可能性があると考えております。

大変名誉なことに、日本では当院で初めてデモンストレーションをしていただいたようです。機器の進歩にも驚きましたが、その価格にも驚きました(汗)。さらに高いレベルの医療が提供できますよう、今後導入を検討したいと思います。

2016_10_05

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